こんにちは、はじめまして。来ていただいて、ありがとうございます。
毎月20冊以上のBL本を購入して、読み浸っている腐女子・ふたばです。
シリアスだけどハッピーエンド・切なくてしんみり、な「シリアス・切ない・涙腺崩壊」がテーマのおすすめBL第11弾、5作品をご紹介します。
注意事項は
・あくまで私が購入し読んだ本の中からの抜粋であること
・ハッピーエンドが好きなので、偏りが出ること
・幸せ可愛い過ぎて泣ける、はあるけれど痛い辛い不幸エンドは無し
です!テーマ上、私的・大前提に沿わない瞬間もありますが、いずれも素晴らしいおすすめしたい作品です。素敵な作品を生み出してくれた作者様に感謝!!
※発行年数は、紙ベースの発売日を優先にしています
※感想はあくまでも個人的な見解です
J の総て 1〜3完
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(中村明日美子 先生)2004〜2006年
1950年代にトランスジェンダーとして生まれたJの生い立ちを、関わった人が少しずつ思い出すようにして紡がれる物語。涙腺大崩壊の話です。
壮絶な子供時代と、差別と、自由と、夢を自ら切り開きながら世間の目も理解しながら、強く生きるJ。胸が苦しくなるほどの悲しみを、寄り添う人は誰もいないと知っているから手負いの獣のように1人で癒やすしかなくて。初恋の人ポールに対して心の叫びを言葉にした時に、涙が止まらなかった…。
世界中に自分の居場所が見つからないって、生きてちゃいけないんだって、優しい人に好きな人に迷惑かけることしか出来ないって、辛すぎる…。こういう差別の中で生きなくてはいけなかったんだと思うと、時代って残酷すぎる。その時を生き抜いたJの精神的な強さと、美しさに心打たれます。
限界までの辛い体験の後には、その分の幸せがあるんだよ!!良かった!!
世界は光に満ちている
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(深井結己 先生)2011年
表題作は、昭和20年、体調不良のため大学を辞めて一人山里離れて療養していた正之介は、時折忍んで来る弟の幸作と話すくらいだった。そこに墜落したB29の乗員と思われる外国人ジョーイが逃げ込んできて、匿い治療をする。
病気で生きたくても生きられない正之介と、敵国で一人生き残ったジョーイの、心の交流と限りある人生の儚さの物語。
軍事教育の基準で病人が責められる中で、ただ生きていることの素晴らしさを二人でひっそりと分かち合う。教えられた敵味方の価値観ではなく、人対人の理解し合える人間関係・命の尊さが涙無しでは語れない…。涙腺大崩壊です。
他収録作も、どれも悲しさ切なさもあるけど、美しくて泣けるほど優しくて、心が洗われる話が多いです。全部号泣ものの名作ばかり✨
ヴィクトリアミランの代償 上中下
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(篁アンナ 先生)2023年
幼馴染で親友で、身体の関係があった有名モデル兼俳優の貴斗と、人気デザイナーの梓。
学生の終わりを期に別れたはずだったが、お互い出世してから再会して想いが再燃する。もともと独占欲が強くて両想いがこじれて、身体の関係になって、本音が言えなくなっちゃっただけの快楽に便乗した危うい関係だったうえ、貴斗は結婚して子供までいて、梓にも同棲している相手・モデルで束縛彼氏の樹李もいて…。それなのに今になって気持ちが通じ合うという皮肉。
恋情を隠さなくては、殺さなくては、求めてはいけない、でも抑えられない離れられない気持ちの葛藤がお互いにあってハラハラする大恋愛です✨
樹李の束縛と依存振りも、絶対良くないんだけどなんか同情しちゃう…。根底でいつか離れていくのが分かっていて、現実になることを恐れているだけなんだと思う。それを匂わせちゃってる梓にも少しは非があるかな…。いや束縛は良くない。
ただ…、元兄嫁、暴力夫の死後一緒になってくれて、なつめをここまで育ててくれた義理堅い義弟に対して、引き際が悪すぎないか…?
各巻の扉絵が棺と主人公たちだったのは比喩かと思っていたら。総合的にハピエン…ですかね?💦
会えるなら会い、一緒にいられるなら一緒にいる。その方が人生幕を下ろす時に後悔がなくて幸せだと私は思うのです…。
月の街、花の都 全3巻
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(千葉リョウコ 先生)2019〜2020年
金持ちや庶民が暮らす花都からあぶれた貧民窟・月光街の一角で若者や子供達をまとめているケイと、ケイに拾われて生きる術を身体を売ることで身に付けた一葉。
「記憶の無い」一葉と「自警団のリーダー」のケイ、惹かれ合う二人の辿り着く未来は…。
事態が二転三転したり、敵と味方は誰なのか、そもそも一葉は何者なのか、訳あり風のケイの正体は何なのか、恋愛もあるけどミステリー的な要素があって個人的にはすごく好き✨
ケイと因縁のクソ義父との駆け引きや、一葉と兄妹達の将来やら、交差しそうでなかなか交差しない二人の進む道。最初のままごとのようなケイと一葉の関係が、一番平和で愛おしかった時間だったと思うほど恋愛以外のストーリー、過去から続く無情な現状からの打破・復讐物が好きな方には、断然オススメ。
あと、過去の回想だが幼児虐待シーンがあるので、苦手な方は要注意。
仲間のイサミとゴウちゃんも可愛い。呼吸をするように自然に周りが同性カップルばかりでおやおやとは思うけれどw
レンタルタマちゃん
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(らくたしょうこ 先生)2023年
行政システムが衰退し荒廃していく街に、自分を育ててくれて受けた恩を返そうと、社会的弱者に職員として手を貸し続けている矢澤。
厳しい現実・切ない感情を癒やしてくれるのは、綺麗な人間の姿をしているレンタル「猫」である、「タマ」。そのタマにも、背中に虐待の痕跡があり…。
どシリアスかと思えば、矢澤のど天然の優しさと、「タマ」の動物的よかれと思ってやった行動が、めちゃくちゃ可愛い💕
そうするしか生きてこられなかった優しい二人が、出会い、お互いのために心を寄せ合う涙腺崩壊モノです。タマはきっと最後の最後には幸せな思い出に浸っていたはず。
今度こそ一緒に生きるために生まれ変わって来たんだね✨ でも確かにこの世に存在していた「人間」の「タマ」のため、「さびしさ」だけは残る。切ない。
作者様たちの他の作品が気になりましたら、下記公式サイトで検索してみてくださいね❕
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