「シリアス」のおすすめBL4選⑦

ジャンル:シリアス

こんにちは、はじめまして。腐女子投資家のふたばです。

シリアスだけどハッピーエンド・切なくてしんみり、な「シリアス・切ない・涙腺崩壊」がテーマのおすすめBL第7弾、4作品をご紹介します。

注意事項
あくまで私が購入し読んだ本の中からの抜粋であること
ハッピーエンドが好きなので、偏りが出ること
幸せ可愛い過ぎて泣ける、はあるけれど痛い辛い不幸エンドは無し

です!テーマ上、私的・大前提に沿わない瞬間もありますが、いずれも素晴らしいおすすめしたい作品です。素敵な作品を生み出してくれた作者様に感謝!!
※発行年数は、紙ベースの発売日を優先にしています
※感想はあくまでも個人的な見解です

囀る鳥は羽ばたかない 1〜8

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(ヨネダコウ先生)2017〜2023年
注意!暴力・流血表現あり。
やくざに拾われた真面目な訳あり元警官の百目鬼×文字通り身体1つでのしあがった貞操観念が低い切れ者の美人若頭・矢代。
アニメ映画化されており、しっかりとしたストーリーと世界観。恋愛だけでなく、裏社会のルールに沿った人の生死も扱っているので、BLのみを求めると話が硬くて真面目過ぎ、と感じてしまうかも。
物凄く一途な思いを向ける百目鬼に、ほだされていく刹那的に生きていた矢代の心境の変化も読みどころ。チャラく見せて好き者風に振る舞ってるが、それが自分の身と心を守るためだったとはいえ、誰にも守られなかった子供時代の結果と思うと悲しい。百目鬼の全てを包み込むような優しさを受け入れると、可哀想な(可哀想だった)自分の過去を認めなければならないジレンマで苦悩する。
権力抗争や、縄張り争いなどハードな内容もてんこ盛りでちょっと小説を読んでいるよう。
淡白な絵柄なんだけど、それぞれがみんな色気ある人物ばかりで世界観にグイグイ引き込まれる。
エロ度高め・描写多い。

薫りの継承 上下

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(中村明日美子 先生)2015年
財閥の本妻の息子である、生真面目で優秀で特権階級を態で表したような傲慢で美しい兄・忍と、後妻の連れ子であり、要領が悪く兄から子供の頃から差別と罵声を浴びせられている凡人で泣き虫な弟・竹蔵。
二人は成長し、忍は結婚して子供も出来たが、ある一時だけ支配する者と支配される者が逆転し、支配する者を支配したいという奥底に秘めた愛情と、何もかも全てを支配され流されたいという快感の歪んだ愛情とのせめぎ合いが繰り広げられる。
どれ程の過酷さを強いても絶対的に自分を慕う確認と、虐げられ突き放される程意識が自分に向かい続けているという確認をし合う二人は、出会った時から狂い始めている。
無かった振り・気付かない振りをしてまで関係を続ける根底に流れるのは、隠されていた深すぎる執着に近い愛情で、でもそれは禁忌で、だからこそ麻薬の様にどうしたって何が起ころうとも離れられない悲しい物語。二人の終着する場所はどんな所なのか。
兄の息子・要が始めに面白がって恐ろしくも罪深い計画を立てて実行し、観察し続け、二人どころか自分をも狂わせる原因となる所も中々に闇深い。
苦しみと破滅しか無いと思われる二人の愛情と執着の行き着く先はどうなるのか、美しく悲しく儚く、そして耽美に描かれていて圧巻の作品。
僅かな綻びから始まる怒濤の展開・衝撃の事実、二人の終焉まで是非に行き着いて欲しい。無いはずの香水の薫りが薫るほど、指の先や視線や仕草までエロく描けるこの作者様ならではの名作。
髪を下ろした兄さんが色っぽ過ぎなのよ〜!! エロ・描写あり。

憂鬱な朝 全8巻

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(日高ショーコ 先生)2009〜2018年
明治時代の、まだ爵位がある時代物。十歳で久世子爵の家督を継いだ暁人と、美麗で優秀で有能だが暁人には冷たい教育係かつ久世家家令である桂木の壮大な愛憎劇。
こういう時代には有りがちな、お貴族様のお家騒動や跡継ぎ問題のてんこ盛り。好きな人にはハマる設定ですね。
周りの大人達の微妙な空気の中、疎外感を感じながら育った割にThe貴族の育ちの良い優秀で素直な良い子のお坊ちゃんである暁人が、家長になる大変さ・思った通りに生きられない貴族の葛藤・複雑な人間関係や、桂木との思うままにならない関係性などに悩み、考え、勉強し、教えられ、切り開く成長物語。
同時に、色々なモノに縛られ、挫折し、憧憬し、固執し、惹かれて、シッチャカメッチャカになりつつもクールで有能さを保ち続け、ただ一人を守り、ただ一人のために尽くし切ろうとする、究極のツンデレ桂木が、どう変化していくかの開放物語でもある。
二人が惹かれ合っているのは明らかなのに、触れそうですれ違う、分かり合えそうで真逆の選択をする、なんとも微妙な関係性に心が暴れまわるのが楽しめる。
純粋な超・頑固者VS年季の入った超・頑固者w
話の主軸がど真面目だが、シリアスシーンばかりでなくちょいちょい可愛らしいセリフや言動も入るので和むこともあるのは、この作者様らしくて好き。
最終話は、よくこんなに複雑な話がまとまったなぁとアッパレで幸せな締めでした。

モアザンワーズ、IN THE APARTMENT

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モアザンワーズ 全2巻、 IN THE APARTMENT 全2巻
(絵津鼓 先生)2015〜2016年、2015〜2017年
モアザンワーズ」は「IN THE APARTMENT」の過去編で、中学生のときからなんとなく馬が合って一緒に居るのが男女の域を超えて楽だった妹尾槙雄・通称マッキー(男)と高木美枝子(女)。
高校も一緒バイトも一緒。付き合ってないけどいい感じの友達で、バイト先で出会ったゲイの福長永慈との出会いからトライアングル的な関係が始まる。
みんな良い子でみんな一生懸命。美枝子の立ち位置が俯瞰しているお母さん。BLなんだけど美枝子が主役(腐女子では無い)という不思議な作品だが、これが共感するところが多々あって良きなんだよね。みんな優しくて悲しい。
でも結局、ずっとそのままでは居られなくて、孤立することが幸せを邪魔しないことになって…。読み終わっても複雑な心境。マッキーが…マッキーだけが辛くね?結局、二人だけで納得し合ってない?子供出されたらそうするしかないじゃん〜!!ゲイの永慈が子供を持って結婚して、その幸せな家族の型からマッキーは弾かれるという、何とも不条理な話。これを「美しくも切ない愛の青春群像劇」(2022年Amazon prime videoでドラマ化された煽り文句)と受け止めきれない私は心が狭いのだろうか…。
IN THE APARTMENT」は、その後のマッキーの話。同じアパートで偶然小6の時の同級生・杉本と再会する。人見知りを克服し、美容師になった杉本は小6の時のマッキーとの違和感を感じながら、生活力の無さに世話を焼いてしまう。
そして二人いい感じになってきた所で、なんとあの二人との再会。あんなに仲良かったのにね。会えたけど、でもやっぱりマッキーだけ残された感があって精一杯の虚勢に、心の傷に、気付かない二人にイラッとしてしまうのは私だけだろうか?
あれだけタバコに憧れて吸えなかったのに、この時に吸えるようになってる事がなんか切ない。
変わらないと信じてた人達の心が自分から離れていく過程を見せられて、変われない自分と変わろうとする周りと、変わらない事が許されない周りに弾き出され、臆病にならない人間なんて居ない。
杉本もめっちゃいい男なんだけど、永慈に裏切られた感が強くて、なんかこうモヤモヤが残る。個人的には、「IN THE APARTMENT」単体の方が良かったかな?ドラマ化するならマッキー救済編のここまで映像化して欲しい。 

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